事業計画や経営戦略を考える際に、「自社の強みを活かして」ということがよく言われています。しかし、「御社の強みは?」と改めて聞かれると、明確に答えられない経営者は意外と多いのではないでしょうか。また、同じ質問を従業員にすると、人によって答えがバラバラということもよくあります。
「自社の本当の強み、競争力の源泉となっているものが何なのか」
「それを知るためには、どのようなことが必要なのか」
各専門の方々に伺いました。
今回は、株式会社イニシア・コンサルティングの丹生光さんからの回答をご紹介します。
【ビズテリア経営企画 編集部】
1つ目の方法は、外部と比較してみて明らかに世界一だと思える分野を「強み」と理解するやり方です。これは一見簡単な様ですが、これをちゃんと出来ている企業は多くありません。普段、会社の中にいて「これが強みだ」と思っていても、それを冷静に客観的に他社と比べてみると、違った分野が浮かび上がってくる場合があります。
そして2つ目の方法は、内部から見て自社の最も優秀な人材を最も泥臭い業務に投入している分野です。優秀な人材が配置されている業務と、泥臭いと考えられている業務とを見比べて、これらが重なっている部分が「強み」と捉えるやり方です。
ここで言う「泥臭い」業務は、就職説明会などでこの業務を知った学生が応募をためらってしまう程の泥臭さです。そこに最優秀な人材を投入していれば、それが間違いなく、自社の強みと言えるでしょう。
「泥臭さ」が本当の強みを知る上で重要というのは意外でした。しかし考えてみると、この「泥臭さ」の陰には、組織として長年培ってきた知識や経験、ノウハウと言った目には見えない資産が蓄積されていそうです。そして、それはその泥臭さの故に他社は簡単に真似はできず、自社の本当の強みと言えるのではないでしょうか。
【ビズテリア編集部】