共創スクエア

株式会社イニシア・コンサルティング

売上高比例の報奨金を - 「中村修二さんノーベル物理学賞受賞で考える知財マネジメント」

代表取締役社長 丹生 光

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2014年のノーベル物理学賞は、中村修二・カリフォルニア大学教授ら3人に贈られることになりました。中村教授は記者会見の中で、かつて勤めていた日亜化学工業での日々をふりかえり、「日本には自由がない」と研究環境の改善を訴えました。

中村教授の開発した青色発光ダイオード(LED)は1.4兆円もの市場を創出したとも言われていますが、中村教授が発明当時勤務していた日亜化学工業とは発明の帰属をめぐって訴訟にまで発展しました。

日本企業がこれからも成長し続けるためには、研究者が意欲的に研究活動に取り組む、新しいイノベーションを次々と創出していくことが必要です。このような訴訟のゴタゴタはできれば回避したいところです。

今後、企業は社員のイノベーションを促すために何をするべきなのか、専門家の方々に聞きました。

今回は、株式会社イニシア・コンサルティング 代表取締役社長の丹生光さんからの回答をご紹介します。
【ビズテリア経営企画 編集部】

低すぎた発明者への報奨金

これまで企業の研究者には、特許の出願時か登録時に発明の報酬として1、2万円程度が支払われていました。しかし、その発明をもとにした製品がいくら売れても、その研究者にはそれ以上の報酬は支払われていないことが問題です。

確かに、発明や特許だけでは、売り上げには結びつきません。その技術をもとに商品化し、製造、流通、販売などを経て始めて利益になります。その研究者だけではなく、同じ会社の様々な部署の社員が一緒に頑張ったから結果に結びついたとも言えるわけです。

しかし、今回の中村修二教授の青色発光ダイオード(LED)のように、ノーベル物理学賞を取る程の大きなイノベーションを起こした技術については、その貢献度を他の社員と同等に評価してしまうのはやはり無理があります。また、これから結果をだそうとしている研究者のやる気を削いでしまうことにもなりかねません。

売上高に比例する報奨金の必要性

このように考えると、これからは、発明報酬に売上高比例のインセンティブを導入することが必要だと思います。

具体的には、

特許を使った商品の売上高 × 商品に対する特許寄与率 × 報奨金比率

のような形で、報奨金を算出します。

例えば、ある特許を使った商品の今年度の売上高が100億円あり、
商品への特許の寄与率を 10%
報奨金比率を 3%
とすると、技術者に支払われる報奨金は

100億円×10%×3%=3000万円

となります。

これは、その年の報奨金ですので、
商品が売れ続ける限り、毎年継続して発生するものです。

これまでの、一回きりの1,2万円程度の報酬と比べると、桁違いの金額になりますが、そのくらい、新しい技術の発明は価値があるということです。

このようなインセンティブがあることで、研究者はさらに新しいイノベーションを起こすべく努力を続けるようになるでしょう。


売上高比例のインセンティブは確かにインパクトがありそうです。学生の間では理系離れが進んでいると言われていますが、これを採用する企業が増えると、研究者を志す学生が増えてくるかもしれません。日本は資源が乏しい国ですから、このようなイノベーションにチャレンジしようとする人が増える制度の重要性は増して行くでしょう。
【ビズテリア編集部】
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