「働き方改革」社内展開プラン 共創ワークショップ

株式会社インサイト・コンサルティング

企業にとって人とは何か?   (第1回)

人材育成をめぐる5つの質問

代表取締役 早川 賢雄

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はじめに

「企業は人なり」という言葉は大変人気があって、多くの企業や経営者がしばしば掲げ、また口にします。しかし、多くの場合、それは工事現場における「安全第一」という標語のごときものでしかないのではない。工事現場が実際に「安全第一」を単なる標語にしてしまうと、そうした怠慢は重大事故につながり、その現場を担当している企業の経営を危うくするような事態をも招きかねません。そうしたことを自覚する企業は「安全第一」を単なる標語にはしません。

単なる標語以上の「安全第一」とはなにか?その答えを得るためには「安全を第一にするという場合、安全よりは劣後して第二にされるべきは何か?」、つまり「安全が第一なら第二は何か?」、「どんな第二のもの以上に安全は優先されねばならないか?」という問いが真摯に発せられなければなりません。「安全が第一なら第二は何か」?それは「効率」、つまり「スケジュール」、つまり「納期」です。安全管理の責任者がある工程について、安全確保の立場からそれを一旦差し止めるということを求めたとき、それが「スケジュール」や「納期」を理由に阻まれるなら、「安全」は実は「第二」になっているのであって、「安全第一」は標語に堕していることになります。

「安全第一」を実質あるものとするためには「では何が第二か?」という問いを立て、それに応えねばならなかった。それと同じことが「企業は人なり」といった理念についてもいえます。「企業は人なり」という言葉に実質をともなわせるためには、それを分節化したどんな問いに答えなければならないか?そして、それらの問いに実際にどのように答えることができるか?本稿は「人材育成をめぐる5つの質問」という副題の下にそれに答えようとするものです。経営者の皆さん、人材育成担当者の皆さんの毎日の奮闘に以下の整理がいくばくかでもお役に立てば幸いです。

1:企業にとって人とは何か?

「人はコストである」から「人は資源である」へ

かのドラッカーは、企業にとって「人とは資源である」ということを最初に言いました。1950年代のことだそうです。それまでは「人とはコストである」と考えられていました。「コストから資源へ」という変化が「労務管理から人的資源管理へ」という潮流を生み、さらに「管理から育成へ」という変化が「人材管理から人材育成へ」という流れを生んでいきました。

「人は資源である」から「人はパートナーである」へ

そして、今や「企業にとって人とは何か?」という問いに対する新しい回答が求められ、育まれつつあるように思います。それが明瞭になるとき、きっと「人材育成」とは何かという問いに対する答えもさらなる進化を遂げるに違いありません。

私はクライアントに対して常々こう言ってきました。<企業にとって人とはパートナーである>。例えば、「理念経営」という場合の理念。あれは元々は「経営理念」であって、つまりは「経営者にとっての理念」でした。しかし、いまや企業にとっての「理念」は「企業理念」として社員全員に分有されるべきものとなっています。企業の所有者と経営者と間のパートナーシップに相当するものが経営者と社員全員の間にも存在していなければならなくなった。「企業理念」という言葉(正確には「経営理念」と「企業理念」という言葉の微妙な歴史的差異)はそういう理(ことわり)を明らかにしています。つまり、社員は今や「パートナー」になったのです。

(つづく)
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