2014/04/23
消費税8%がスタートし、景気の腰折れが懸念されています。
アベノミクスによりデフレ脱却が見え始めてきましたが、
この消費増税で消費者心理がどのように変化するかは予断が許せません。
そのような不透明な経済状況であればそこ、
各企業は、これまで以上に、顧客に「買いたい」と思わせる取り組みが必要となってきます。
そこで今回ご紹介したい本がこちら、
「THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質 」(藤田康人)
です。
この本のタイトルが示唆するとおり、
付け焼刃の営業ではなく、本質を捉えた戦略でなければ、
一時的には売り上げが上がったとしても、
それは一過性のもので終わってしまいます。
この本で紹介されている内容は、
単なる営業ハウツーではなく、
著者の藤田康人さんの実践と経験に裏打ちされた、
マーケティング手法が紹介されています。
今の様に先行きが不透明な経営環境では、
一読しておいて損はないでしょう。
藤田康人さんは、キシリトール・ブームの仕掛け人として知られている方です。
1997年に、当時まだ知られていなかったキシリトールという甘味料を日本で紹介し、
厚生労働省に許認可申請を行うなどして、
この甘味料を使った商品市場を創出させました。
その市場規模は2千億円にも達するそうです。
また、藤田さんは、「美魔女」という流行語の仕掛け人でもあります。
年齢を感じさせない40代前後の女性を指すこの言葉は、
テレビや新聞・雑誌など様々なメディアで盛んに使われました。
このように、次々と新しいトレンドを創りだしている藤田さんですが、
彼がこだわっているのは、
『どう伝わったら、買いたくなるか』だそうです。
「伝える」ではなく、「伝わる」ことがポイントだそうです。
つまり、受け取る側の知覚、認知、理解といったパーセプションを重視しています。
売り手が伝えたいことを、ただそのまま伝えても、
それは買い手の心には響かないということです。
「伝わる」ためには、買い手のパーセプションを踏まえた、
文脈(コンテキスト)やストーリーが必要だと藤田さんは強調しています。
キシリトールや美魔女といったキーワードも、
そのような顧客の心を揺り動かす1つのコンテキストだと言えるでしょう。
このように、「人はどのようにして買いたいと思うか」
という本質を踏まえた上で、
それを具体的に実践して行くための仕組み作りについて書かれている本です。
THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質