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「熔ける」の大王製紙前会長 井川意高氏 その業績

2013/12/18
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会社の資金をギャンブルに使い、特別背任罪で服役中の井川意高、前大王製紙会長。先日出版した自著「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」は、著名人や芸能人、有名女優などとの過去の交流・交際を赤裸々につづった本として、世間の注目を浴びています。

過去のプラベートを暴露しているとして、批判が多い本でもありますが、
一方で、井川意高氏のビジネスでの辣腕ぶりが分かる本であるのも事実です。

その井川氏の功績の中に、王子製紙と北越製紙との敵対的TOBがあります。
製紙業界の最大手の王子製紙が当時業界5位の北越製紙を、話し合いによらずTOBという株式市場での公開買い付けによって一方的に株式の過半数を取得して、会社の支配権を強制的に得ようと画策したのです。

このことは、当時、テレビや新聞などでニュースになり、世間を騒がしました。結局、北越製紙に友好的な株式の引き受けて手、いわゆるホワイトナイトが現れて、この敵対的な買収は失敗に終わりました。

「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」には、井川氏が買収劇の裏で、北越製紙を助けようと、水面下の動きをしていたことが書かれています。

日本製紙連合会という団体があります。製紙業界をとりまとめる業界団体です。当時井川氏はこの日本製紙連合会の理事のひとりでした。

連合会の理事会の中で、井川氏は、TOBを行おうとしている王子製紙を非難しました。連合会会長である王子製紙会長は連合会会長を辞任するべきとの発言をしたのです。

業界最大手の会長に対して、自社とは関わりのない事案に触れ、辞任要求まですることは、勇気のいる決断だと思います。このことは、当時の理事会だけでなく、関係者に大きな衝撃を与えたに違いありません。

この井川氏の動きもあり、製紙業界や世間一般に、敵対的買収は日本の商習慣には馴染まないのでは、という空気が生まれてきます。

最終的には、日本製紙、三菱商事の2社がホワイトナイトとして現れたことにより、王子製紙の買収は失敗。事実上の敗北宣言につながっていきました。

この買収劇では王子製紙、北越製紙の両社に、証券会社や法律事務所などのアドバザーがついて、影で支えてきたことが報じられていますが、大王製紙の井川意高氏の動きも、買収劇の流れを決めてきた要因の1つだったと推測されます。

■ 「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」からの大逆転
■ 井川氏、大王製紙の今後は?
■ 井川意高氏の人生観


熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録


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