他社に負けないためにはどうすればいいでしょうか?
きめ細かい顧客ニーズに対応する。
より高い性能の商品を提供する。
より高機能の商品を提供する。
より安い商品を提供する。
など
いろいろとあるでしょう。
しかし、これと全く逆の発想の本があります。
「リピート率90%超! 小さなお店ひとり勝ちの秘密」(中谷嘉孝 著)です。
この本の面白さは、一言で言うと、「無理をしない」ということに尽きると思います。
巷には、様々な種類のマーケティングの本、経営戦略の本で溢れています。これらの本は確かに正しいことを言っている面もあるのですが、どこか「無理をして、背伸びをしている」と著者の中谷嘉孝さんは指摘します。
確かに、こういった経営手法を学び実践して行けば、顧客ニーズに迅速に対応して、より高い機能の、より高品質の商品を提供していくことができるでしょう。
しかし、一方で、他社も同じように顧客のニーズに対応しようとするでしょう。
そうすると何が起きるでしょうか。
顧客ニーズへの対応を巡って熾烈な競争が起きるでしょう。仮に今はそうではなくて、そのような競争状態になるのは時間の問題です。
他社より少しでも劣る商品と思われた瞬間に、顧客は無慈悲に、いとも簡単に他社製品に乗り換えてしまいます。経営者は常に他社に乗り換えられないかを心配し続けなくてはなりません。まさに負のスパイラルに陥ってしまうでしょう。
これに対して、「無理をしない」という考え方は、このような熾烈な競争に関わらないポジションを取るとも言えます。
無理をして、自分を強く見せようとする企業が多い中、敢えて、自分のありのままを見せて、ある意味、弱さを売りにするという考え方です。
こうすれば、当然、顧客はあっという間に離れて行くでしょう。このような考え方は、無謀とも思えます。
しかし、あえて、この無謀とも思える「ありのままを見せる戦略」を取り続けると何が起きるでしょうか。 多くの顧客は去って行き、そしてやがて一人もお客がいなくなるでしょうか。
そのようにはならないと、この本、「リピート率90%超! 小さなお店ひとり勝ちの秘密」は主張しているように思えます。
多くの顧客は去って行きますが、それでも、そこに残る顧客がいるというとです。そこの残った顧客は、あなたのありのままの姿を受け入れてくれて、その上で、あなたの商品・サービスを購入してくれる顧客です。
このような顧客は、他社の商品に浮気をすることはありません。もはや経営者は、熾烈な競争の中で、他社にシェアを奪われるのではという心配から解放されるのです。
このような「逆張り」とも思える考え方をこの本、 「リピート率90%超! 小さなお店ひとり勝ちの秘密」では紹介しています。
無理をしない経営で、ありのままの自分をさらけ出すと、お客を捨てることになってしまいます。しかし、それによって、どんな競合が現れても微動だにしない繁盛店を作ることができると、著者の中谷嘉孝さんは言っている様です。