ハラル認証の和食弁当も イスラム教徒の観光客対応進む
2014/07/30
イスラム圏の顧客を取り込もうとする動きが広がっています。
産経新聞によると、関西を中心に国内の大手ホテルは「ハラル認証」の和食弁当を用意するなど、イスラム圏からの観光客向けの対応を急ピッチで進めている様です。
格安航空会社(LCC)の就航拡大などで増加するイスラム教徒(ムスリム)の観光客を取り込もうと、イスラム教の戒律に対応して豚肉やアルコール成分を使用していないメニューを提供する動きが関西のホテルで本格化してきた。成長の著しいインドネシアなど東南アジアを中心に今後も訪日客が増えるのは確実で、各ホテルは大きな商機を逃すまいと躍起になっている。
もう20年以上も前になりますが、筆者がまだ大学生だったころ、同じクラスにイスラム圏からの留学生がいました。
たまたま縁があって、マレーシアからの留学生、数人と親しくすることができました。一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べたりしました。
そのときのことを思い出すと、彼らがイスラム教の戒律を守った生活をしていました。
食事は、肉が入ったものは一切食べれないということでした。
正確には豚肉は一切ダメということでした。
鶏肉などそれ以外の肉は食べてもいいそうなのですが、
その場合、イスラム教の戒律に則った処理をした肉でなくてはいけないそうです。
日本国内で流通している肉は、そんな処理をしているはずもありませんから、
必然的に、どの飲食店にいっても肉があるものは食べれないということになります。
では、肉の入っていない料理を選んで食べればいいかというと、
そんなに簡単ではありませんでした。
たとえばラーメン屋で食事をしようとしても、
ラーメン自体は肉ではなくても、豚肉のエキスが入っていれば、
それだけでNGです。
飲食店で出される食べ物に、肉のエキス、汁などが一切ない料理に限定して食べようとすると、
食べることができるものが非常に限られることに気付きます。
当時、日本にいたイスラム圏の留学生は、そんな苦労をしていたんだなあ、
と改めて思い起こしました。
そして、月日は過ぎて20年以上もたった今、
イスラム諸国も経済発展により豊かになり、日本への観光客も増えてきました。
当時のような不便さのままでは、日本で観光やビジネスをしようとする
イスラム圏の人たちは増えていかないでしょう。
「ハラル認証」によりイスラム教の戒律に則った食事であることが保証されることで、
イスラムの人たちは、日本でも安心して食事を食べることができることになります。
今後、国内の観光ビジネスを考える際には、訪れる人たちの宗教や生活習慣などにも配慮することがますます必要になってきそうです。