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「土用丑の日に鰻」は平賀源内のマーケティング戦略

 

2014/07/27
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土用丑の日がもうすぐです。
連日の猛暑で一日を過ごすのも大変ですが、
夏バテ対策としても、うなぎを食べようと思った方も多いのではないでしょうか。

この時期は、飲食店やスーパーなど、いたるところで、
うな重、かば焼きといったうなぎ料理の宣伝をみかけます。

でも、なぜ「土用丑の日」は「うなぎ」なんでしょうか?

ウィキペディアによると、土用丑の日は、昔の暦の干支で表した期間のようです。
土用の丑の日(どようのうしのひ)は、土用の間のうち十二支が丑の日である。
夏の土用の丑の日のことを言うことが多い。夏の土用には丑の日が年に1日か2日(平均1.57日)あり、2日ある場合はそれぞれ一の丑・二の丑という。
厳密には土用は春夏秋冬の年4回あり、土用の丑の日は年に平均6.09日ある。しかし以下では、夏の土用の丑の日のことを単に土用の丑の日と呼ぶこととする。
出典: Wikipedia
「土用丑の日」は夏のこの時期を昔の暦で表現しただけであって、
特にそれ以上の意味な無いようです。

とすると、ではなぜ、「土用丑の日」に「うなぎ」なのか、
という疑問が深まります。

同じくウィキペディアには、このような記述もありました。

江戸時代、文学者、蘭学者、医者など多彩な才能を発揮したことで知られる平賀源内が、売上不振に困ったうなぎ屋からの相談に答えたことから始まったとしています。
商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の所に相談に行った。源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという。
出典: Wikipedia
もっとも、これには諸説あるのですが、
ウィキペディアではこれがもっとも有力な説だとしています。

仮にこの説が正しいとすると、「土用丑の日にうなぎ」というのは、
当時のマーケティング戦略だったということになります。

うなぎをこの時期に食べる必要性は特に無い様です。
うなぎにはビタミンA・B群が含まれていて夏バテ対策になるから
という説明は後付けの説明だと思われます。

もし、夏バテに効くというだけの理由であれば、
土用丑の日以外でも暑い日であればいいわけですから。

ということで、土用丑の日にうなぎを食べるということには、
特に意味はないということが分かりました。

しかし、ここで重要な示唆があることが分かります。

それは、この何の意味もない「土用丑の日にうなぎ」に、
平賀源内の生きていた江戸時代から現代の日本に至るまで、
日本人の消費行動は大きな影響を受けたということです。

今となっては「それが習慣だから」という説明もできますが、
しかし、特定の時期に特定の商品を購入するというトレンドを作った
ということは、これからのマーケティングを考える上でも参考になりそうです。

「土用丑の日にうなぎ」というのは結局のところ、
「○月○日は××を買いましょう」
と言っているのと大差がないことにも関わらず、
多くの人がそのことで、うなぎを購入しているからです。

先日、自動車販売店から、こんなDMが家に来ました。

「6月の第2週は自動車点検週間です。」

よくよく考えるとこれも、「うなぎ」と同じです。
自動車点検は何も6月第2週に行わなくてはならない必然性はありません。
いつでもいいはずです。
しかし、このように具体的な期間を指定されると、
つい「点検を受けようかなあ」という気持ちになってしまいます。

うなぎや自動車に限らず、このような例は意外とたくさんありそうです。

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