2013/07/21
リスティング広告は、自社サイトを顧客に知ってもらう上で有効な広告手法です。
自社の商品・サービスと関連性の高いキーワードを選び、顧客がそのキーワードでネット検索すると自社サイトへのリンクが広告枠に表示されて、顧客を誘導します。
Google AdWords、Yahoo!リスティング広告などがその代表的なサービスです。
お金をかければ、その分だけ、自社サイトが検索され易くなる魅力的なサービスですが、これが万能という訳ではありません。
リスティング広告の限界を知った上で、上手に使っていく必要があります。
それでは、その「限界」についてちょっと説明したいと思います。
まず、リスティング広告では、顧客が購買するパターンにある種の想定をしています。
それは、顧客は、
何を買いたいかを既に決めている
という想定です。
その「既に決めている」モノを探すために、
キーワードを入力して、ネット検索をして、欲しいものを見つけようとするだろう。
という想定です。
もし、パソコンを買いたいと思う顧客なら、
「パソコン 激安」
「パソコン 人気商品」
「パソコン Windows8」
などのキーワードで検索するだろう
ということです。
確かにこの想定のとおりに商品を買っている顧客はたくさんいると思います。
しかし顧客の購買パターンはそれだけではありません。
リスティング広告で想定していない顧客の行動パターンの1つは、
衝動買い
です。
当初は別の商品を買おうと思っていたが、その商品(または関連する情報)を見て突然欲しくなるというものです。
こんなパターンで商品を買うことはレアケースと思われる方もいるかもしれません。
しかし、実際の顧客の購買行動では、「衝動買い」はかなりの確率で起こっていることです。
ある大手コンビニチェーンの会長は、「顧客の8割は衝動買い」とまで言い切って、いかにして顧客に衝動買いをさせるかという視点で店舗作りを指示しています。
そして、リスティング広告で想定していない、
また別の顧客の行動パターンは、
潜在顧客が顕在化すること
です。
顧客は
何が本当に必要な商品か、
何が本当に欲しい商品か、
について、いつも分かっているわけではありません。
時には、
何が必要か分からない。
何が欲しいのか分からない。
ということがあります。
しかし、顧客がネット上にある様々な情報に触れる中で、
ある時突然、
この商品は必要だ、
この商品が欲しい
と思う瞬間があります。
このように顧客のニーズを呼び起こすのが
潜在顧客の顕在化
です。
顧客の衝動買い
潜在顧客の顕在化
これ以外にも顧客の行動パターンはまだあるかと思います。
ここまで説明すると、
リスティング広告で誘導できる顧客は全体のごく一部ではないか
ということが分かって頂けたのではないでしょうか。
リスティング広告は確かに有効で、効果もそれなりに期待できます。
しかし、リスティング広告だけに傾倒してしまうと、
ここで説明したような、それ以外の様々な可能性に
いつしか目をつぶってしまうことになりかねません。
リスティング広告の特徴と限界を知った上で、
上手に活用して頂ければと思います。