奪い合う営業から分かち合う営業に。そう強調するのは、オフィスリヴ代表取締役社長の舛岡美寿子さん。
彼女の著書、「お客様が不思議とファンに変わる! 女子脳営業術」では、これまでの営業スタイルから、新しい営業スタイルへの脱皮を推奨しています。
舛岡さんは、大手下着メーカーのセールスレディとして、口コミを通じて2年間で1000人以上の顧客を獲得し、
その後独立して、年商1億6500万円をわずか3年間で達成するなど目覚ましい営業実績のある方です。
そんな舛岡さんが強調するのは、共感、親和、協調といったコンセプト。
従来の営業では、
どれだけのシェアを獲得するか、
競合他社とどう差別化するか、
目標販売数をどうやって達成するか
など、商品・サービスを「売る」ことに重点が置かれていました。
「お客様が不思議とファンに変わる! 女子脳営業術」において舛岡さんが主張しているのは、
「売る」ではなく、自然と「売れる」という視点です。
今はモノがあふれている時代です。
よほど特徴のある商品でなければ、商品力だけれ売上を作ることは困難です。
また、ネット社会になり、商品情報は顧客がみずからが検索できるため、
安い、薄い、軽い、などような商品スペックだけを訴求した営業には効果が期待できません。
これからは、商品自体を売るのではなく、
商品を通じて、
どんな効果が得られるか、
どんな課題が解決されるのか、
どんな感動が得られるのか、
どんな喜びが得られるのか
などと言った、
より顧客の真の目的に近づいた訴求が必要となっています。
そんな場合には、
商品よりも、商品を売る人に焦点があてられる場合があります。
その人が
どんな個性を持っているのか、
どんな考えもっているのか、
どんな経験や過去があるのか、
どんな夢や希望を持っているのか、
そのような、その人ならではのプロファイルに
顧客は、関心や興味あるいは憧れを持ち、
そして、舛岡さんが言う様な「共感、親和、協調」といったものが生まれて行くのです。
その結果、
その人が持っている商品、
その人が取り扱っている商品、
を自分も手に入れたい、
自分も購入したい、
と思うようになります。
そうすることで、
自分の問題や課題が解決されたり、
期待する喜びや感動、が得られたり
するのではと考えるからです。
これは、もはや「売る」というより、自然と「売れる」と言っていいでしょう。
舛岡さんは
この従来からの「売る」スタイルを男子思考と、
自然と「売れる」新しいスタイルを女子思考とそれぞれ呼んでいます。
それらが、男性特有の、あるいは女性特有の思考なのかは、
脳科学や心理学の専門家にゆだねるとして、
この舛岡さんの提唱するスタイルは新しい営業として一見の価値があると思います。
顧客を引き付ける新しいブランディングのあり方とも言えるでしょう。
舛岡美寿子さんの「お客様が不思議とファンに変わる! 女子脳営業術」は、
「売る」から「売れる」に転換したい経営者に一考の余地を与える書です。
お客様が不思議とファンに変わる! 女子脳営業術 ― 10日学び、10日働き、10日遊んで売れていくセオリー