どのようにいい人材を育てるかを考えるためには、まず、管理職に求められる機能を明確に示すことだと思います。
1.目標達成機能
2.労働能力保全機能
1,2が車の両輪のようにバランスよく機能することが必要であることは、誰でもご存知のことと思います。「目標達成機能」については、入社以来、徹底的な教育・研修が行われてきているのは当然ですし、目標達成機能に優れた先輩たちの姿はモデルとしてまぶたに焼きついているかもしれません。
ところが「労働能力保全機能」についてはどうでしょうか?メンタルへルスの分野で突然登場し、自殺やうつ予防の知識を習得するという程度ではないでしょうか?「労働能力を保全する」ことの意味と重要性を明確にした研修が実施されていないことが原因になっていると考えます。
管理職育成のために、「労働能力保全機能」に焦点をあてた研修プログラムを提案したいと思います。それは「人間関係学」に注目し、人間関係構築能力に焦点をあてた研修です。
目標達成に向かって進んでいくために、各々のメンバーとしっかりとした関係を構築できる能力を育成していくことが必要だと考えますし、管理職との関係がモチベーションアップに直結していることも確かです。
まずは経営陣がモデルになることで、大きな効果が期待できますから、チベーションの高い元気な職場をつくる管理職を育成するプログラムは、トップダウンで展開していくことが望ましいのです。
「非定型うつ病(新型うつ)」が話題になっていますが、それは新入社員だけの問題ではありません。管理職になったものの目標達成に向けての人間関係が構築できず、自分中心の仕事スタイルが身についている場合、他罰的な抑うつ状態に陥ることも多いようです。
早い段階から「人間関係構築能力」に注目した育成プログラムを着実に実施していけばどこの職場にあっても、メンバーのやる気と元気をあげていく〝カリスマ管理職〟の出現も夢ではないはずです。