イノベーティブな組織を実現するには、個人の持つ要素(ソフト面)と組織の持つ要素(ハード面)の両方における強化が必要です。
ソフト面を大きく分けると、価値を生み出す力とその価値を製品やサービスに具現化してビジネスにつなげる力の2つに分けられます。
前者の価値を生み出す力は次の3つの要素から構成されます。
価値を生み出す力
「心」新たな価値を生み出そうとする想い・志
「技」新たな価値を生み出すやり方
「知」新たな価値を生み出す知識・経験
これは、リーダーシップを持つ個人として全ての要素が必要ですが、技や知は研究チームの多様性確保とそこから生まれる共創の促進によっても後押しできます。
そして次に、この価値を具現化してビジネスにつなげる力は次の3つの要素から構成されます。
価値を製品・サービスに具現化、ビジネスに繋げる力
「志」:自らが推進したいという気持ち、自分しかできないという覚悟
「仲間」:企業/組織や他者への感謝・貢献心から得る周囲の後押し
「実践」:行動から学び、次の一手を考えて行動し続ける行為
これは、コミュニケーションやリーダーシップの能力によって、その成否が分かれます。
ハード面では、人が実行することを後押しする環境、適切な判断を下す仕組みが重要です。以下のようなポイントが挙げられます。
実行支援の環境
・効率的に動く製品開発と、実験的に見い出す研究開発組織・人の切り分け
・投資に回るための既存事業の利益確保
・挑戦を楽しみ、後押しするトップ
適切な判断
・製品・サービスの持つ「価値」を評価できる仕組み
・重要プロジェクトに対する適切な人選
これらソフト面(個人の持つ要素)とハード面(組織の持つ要素)の両面を強化する取り組みが必要ですが、その解は1つだけではありません。
世の中の取り組みを参考にしつつ、自社の風土やビジネス環境に合ったものを創り上げ、環境に合わなくなれば変化させ続けることが「イノベーティブな組織の在り方」であると考えます。