損保ジャパン 英保険会社キャノピアス買収 過去最大1千億円
2013/12/15
損保ジャパンはイギリスの中堅損保会社キャノピアスを
1,000億円で買収すると各メディアが報じています。
損保ジャパンにとっては過去最大規模の買収となる見込みです。
損保業界では、90年代後半からの規制緩和で競争が激化し、
経営統合で収益力を高めようとM&Aが繰り返されてきました。
日本損害保険協会「ファクトブック」によると
損保業界の国内市場規模は約7兆円。
ここ10年はほぼ横這いの傾向を示しています。
そして、その中の約6割は自動車保険や自賠責保険などの自動車関連保険で占められています。
最近は若者の自動車離れが進んでいることもあり、
この主力となるはずの自動車関連保険の事業は
損保各社ともに伸び悩んでいます。
このような国内状況があるために、
損保各社では海外に成長機会を得ようと、
国外のM&Aを行う動きが見られます。
損保ジャパンでも、海外進出を積極的に進め、
ブラジルやトルコ、マレーシアの保険会社の買収を行っていました。
今回報じられた買収対象のキャノピアスはアメリカやヨーロッパを中心に
火災保険や船舶向け海上保険などを販売しています。
現経営陣から株式を100%取得して、損保ジャパンの完全な傘下になる見込みです。
これによって、損保ジャパンは、欧米への販売チャネルを獲得できることになります。
損保ジャパンの全売り上げに占める海外事業の割合は、
現状ではわずか10%も満たない状況なので、
今後は、獲得した販売ルートを使って、
積極的な販売攻勢を強めていくものと思われます。
■ キャノピアス - ロイズ保険組合の中堅保険会社
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