共創スクエア

株式会社ラディア

管理部門の業務が変わるとリスクが見える

可視化で実現する、会計の課題、内部監査対応と効率化

代表取締役社長 谷中 教隆

共創スクエア

総務部や経理部などの管理部門の役割分担が明確ではない企業は少なくない。その結果、業務が非効率になることや、情報漏えいなどのリスクが拡大することもある。直接の売り上げにつながらない管理部門だが、実は会社のさまざまな資産を守る大事な役割がある。

上場企業の場合、内部監査・内部統制が法律で義務化されているが、その対応を通じて初めて、管理部門やその業務における問題が明確になることもある。一般の企業でも、決算時に何らかの問題が生じていることがわかることもある。

ラディアでは、可視化による業務の見直しを行う場合、時には組織の変更を提案することもある。管理部門の役割を見直すことで、効率的でリスクが小さい組織にすることができるからだ。

会社がやろうとしている事業を推進するためには、現在および将来のリスクを減らし、有形資産や社会の信用など無形資産を守っていく必要がある。そのためにも、守りを担う管理部門の適正化、そして業務の可視化と見直しが必要になってくる。

【ビズテリア経営企画 編集部】

承認行為の形骸化が非効率とリスクを生み出す

谷中 教隆 (Noritaka Yanaka)
株式会社ラディア 代表取締役社長
1979年、東京都生まれ。大学卒業後、物販会社に入社。その後、会計事務所、会計系コンサルティング会社を経て、2008年7月に株式会社ラディアを設立し、代表取締役社長に就任。著書に『まずは、管理部門の組織から 会社を強くする〝守り〟のレシピ』(現代書林)がある。

上場企業は内部監査を行うようになったことで、業務に問題があることは大体わかっているかと思います。例えば経理の数字に何かおかしいところがある、などです。ところが、具体的にどこを直せばいいのかがわかっていません。可視化=「見える化」も多少はできていますが、まだ十分ではないということです。

さらに問題なのは、リスクが見えていないことです。例えば、会社では決済にあたって、関係部署の管理職の承認行為が必要です。しかし、リスクがどこにあるのかわからないまま、承認行為を重ねているケースや、逆にリスクが大きいのに承認が少ないというケースが見られます。「営業部から必要な承認を得ていない出金伝票が経理部にまわってくる」、「クレームが現場で処理されたままで管理部門に伝わらない」、といったケースが代表的です。

そもそも、リスクを減らすために、承認行為がルール化されているのですが、なぜそうしたルールになっているのかが忘れられて簡素化されてしまうことがあります。あるいは、ルールそのものが現在の業務に合わないということもあるでしょう。

可視化でリスクを顕在化

業務にどのような問題があるのか、あるいはどのようなリスクや無駄があるのか。これを明らかにするためには、業務を可視化することです。

例えば、経営層と現場との間で方針が違っているということがあるでしょう。経営層が売り上げの見込みなどで大まかな数字が早く欲しいと思っても、現場では間違った数字を上げることができないと考えて経営層に伝えられないといったことです。これは、経営の意思決定を遅らせるリスクになります。これも、経営層が求めているものや現場の作業が可視化されていれば、現場は経営層の要求に対応できるようになります。

可視化を実際に進める際に最初に行うのは、業務の手順に関するヒアリングです。これを通じて業務の実態が会社のルールや書類の書式に合っているかどうかを調べます。その上で、業務とルールの整合性をとり、経営者に改善の提案をしています。

このときに、業務を見直すこともルールを見直すこともあります。また、総務部や経理部、人事部などの役割を見直した結果、管理部門の組織を見直すこともあります。人事部が福利厚生まで担当しているケースや、総務部が庶務の仕事しかしていないケースなどがあるからです。

「業務の可視化によって、業務にある問題やリスク、無駄が明らかになります。これが迅速な経営の意思決定につながります。」

ルールを変える文化をつくる

業務を可視化し、ルールや組織を見直せば、それで終わり、ということはありません。とりわけルールは形がい化しやすく、5年から10年もすれば改定が必要になります。

例えば、会社の規模が大きくなれば、経営者の権限を下の管理職におろすことも必要でしょう。ERP(資源統合計画)システムの導入がルールを変えるきっかけになることもあります。

とはいえ、ルールを変えることは簡単ではありません。ルールを変えたくない部署もあるでしょう。それでも、「今までやってきたから」というのはルールを変えない理由にはなりません。なぜルールを変えるのかを説明し、納得してもらうことにも労力が必要です。

多くの場合、可視化によるルールの変更は、必要な書類が減る、業務が簡素化するなど、管理部門のコストを下げることになります。

さらに、私たちが関与しなくても、業務がきちんと可視化されていれば、自主的なルールの見直しが可能です。むしろ、ルールを必要に応じて見直していく文化を作っていただきたいと思います。

可視化の事例 可視化によって業務のルールや書類の書式などが業務の実体に即して整備されます。

経営者はリスクに敏感に

当社に対する依頼は、会計や内部監査・内部統制をきっかけとしているケースが多いようです。そこで問題が出たことから、業務を見直したいということです。また、ERPシステムの導入や、IPO(株式新規公開)がきっかけということも増えています。IPOの場合は、業務のフロー図が必要だからです。また、ERPでは会社の業務に合ったシステムにしなければ意味がありません。

当社が手掛けた代表的な事例としては、大手のディスプレイ会社であるスペース様のケースがあります。依頼されたときは、東証二部上場の会社でしたが、管理部門の業務はほとんどが紙の帳票によるアナログなもので、ITのシステムを導入していたのは会計だけでした。しかし原価管理など業務が複雑化してきたため、ERPシステムを導入することにしたのです。

当社は組織の各部署の役割の明確化などの段階からお手伝いし、内部監査・内部統制にも対応しました。こうした作業をすることで、顕在化したリスクに対応し、さらに東証一部上場を果たすことができました。

一般的に、経営者にはリスクに無頓着な人が多いように感じます。経営者の関心は、売り上げや営業利益にばかり向いているのではないでしょうか。特に創業者にはこうした傾向があります。しかし、信用を失ったら、事業を進めることができなくなります。とりわけ、従業員が100人を超えると、経営者だけで管理することが難しくなり、リスクが増大します。

管理部門の強化で会社は強くなれる

私自身は、元々会計系のコンサルティングファームで仕事をしてきました。そうした中、会計だけではなく、人事部や総務部など管理部門全体の問題に手つかずという会社をたくさん見てきました。財務の問題に人事がからむこともありますし、資産の購入には総務が関わってくるからです。こうした会社の業務の見直しを支援したいというのが、ラディアを立ち上げたきっかけになっています。

現在のスタッフには、会計だけではなく、人事や教育などさまざまな得意分野を持つメンバーがそろっており、場合によってはチームで対応することもあります。会計にとどまらないお客様の様々なニーズにお応えできるメンバーだと考えています。

(終わり)
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