企業変革ブランドカンファレンス 開催報告
企業ブランドと競争優位性(第6回)
丹生 光
ブランドアイデンティティーの実践を通じて事業戦略や業務プロセスを進化させる企業変革が注目されている。企業の本質を変革し競争優位性を高めるためには、ブランド「を」マネジメントすることからもう一歩進めてブランド「で」全社をマネジメントする「トータルインナーブランディング」が必要だ。
さる10月23日に東京丸の内にて「企業を変革させるブランディングとは -ブランドマネジメントによって企業はどう変革できるのか?-」というテーマで企業変革ブランドカンファレンス2007を開催させていただいた。今回はそのレポートをお送りしたい。
当日は約100近いご出席をいただき、大盛況となった。プログラムは別表の通りだが、ブランド実務経験者の事例紹介あり、コンサルタントの手法紹介あり、弁理士のケーススタディあり、講師陣によるパネルディスカッション多少詰め込みすぎというご意見も頂戴したが、このテーマへの問題意識を十分に共有化できるカンファレンスとなった。
朝の10時の議長セッションから夕刻のパネルディスカッションまで一貫してブランドによる企業変革をテーマとして9つものセッションと討議を行った。特にパネルでのご質問は40件に達し、このテーマへの関心の深さを感じた次第である。さらに、夜の部のカクテルパーティーはかなりの方のご参加をいただき、遅くまで意見交換、人脈交歓に時の立つのを忘れた日であった。
パネルでいただいたご質問には、講師陣の間で検討し、何らかのアドバイスなりヒントナリのフィードバックを提供する予定である。
企業変革には、アウターブランディングだけでは足りない。トータルインナーブランディングが必要だ。この日、ご出席いただいた企業の皆様には、このメッセージを受け止めていただけたものと感じている。
また、当日の講演者による企業内ブランドレクチャー&ワークショップの出前啓蒙セミナーについてもご要望をお受けしていく計画である。今回のようにブランドマネジメント担当者が外部セミナーなどで良い事例や情報を仕入れても、企業に帰ると関係部署の説得、巻込みに大変苦労している。ブランディングは企業全体をあげて取り組まなければならないのに、なかなか進まない原因のひとつがここにある。この問題解決が出前のブランド啓蒙セミナーというわけだ。(つづく)