共創スクエア

「専門家に聞く!」

企業を元気にするには

専門家11人に聞きました

共創スクエア
バブル崩壊後、長年に渡って続いていたデフレ環境の中、経営者のマインドはすっかり冷え切ってしまいましたが、ここ数年、ようやく「デフレ脱却」という言葉も言われる様になり、経営環境も少しづつですが明るい兆しが見えてきました。いよいよ守りから攻めの経営に転換する時期とも言えるでしょう。

そこで今回は、企業を元気にするにはどうしたら良いのかについて、各専門家の意見を伺いました。
【ビズテリア経営企画 編集部】
「企業を元気にするには?」 回答一覧
コンサルティング部部長 工藤昌幸
企業は人なり。社員一人一人が活き活きと輝けることが企業を元気にすると考えます。そのために2つ。

①挨拶は積極的に自分から
職場環境は人間関係、人間関係はコミュニケーション、コミュニケーションの第一歩は挨拶です。
挨拶を明るく笑顔で各自が率先して実施することによって、職場環境の基礎が作られると考えます。

②積極的に応援しあう
自分の役割をまっとうしながら、お互いに助け合うということ。
孤独が一番人を弱くする。チームで仕事をするということは助けあうこと。
高く早く成果に結びつき、強く元気なチームになる。
代表取締役 手塚芳晴
「目標管理」「成果主義」「プロセスエンジニアリング」、等、人と組織を活性化するためには、さまざまな方法があることでしょう。
しかし、どんなに優れたテクノロジーであっても、根本的な「自己信頼の回復」や「他のメンバーへの信頼感の回復」が無ければ、機能しません。

一方で、確かに信頼関係をはぐくむことは難しいかもしれませんが、もし本当にそれができるとしたならば、全てを変える力がある。
メンバーのハートは鼓動し始め、目が輝き始める。
分離感が癒され、情熱と叡智が交流を始める。
現状の課題と問題点が、偏見を経ることなく、真実の視点から適切に対処される。
今までは想像もしなかったような全く新しいアイデアや工夫が、 日常のあらゆる仕事の場面で創造され、実践されて、あっという間に現実が変わっていく。
結果的に、生産性と創造性は、想像をはるかに超えて高くなることでしょう。

近年、人に対して冷たい風潮の様々な施策や制度がもてはやされたことがありますが、私共からすると、そんなことを真剣に信じて真面目に取り組もうとすること自体がどうかしているのではないかと感じております。本当にそんな制度が機能するなら、推進担当者は、まず自宅の家族にやってみることですよ。自分の愛する人にやれないことを会社でやるなんてどうかしている。私は、根本的にそんな疑問を持っています。

私共は、企業を元気にするために必要な事は、シンプルに人間性の回復であると考えております。経営に、優しさや思いやり気高い矜持を忘れてはいけません。そのような高い人間性の回復こそが、企業に、オープンなコミュニケーション、信頼の風土、自信と誇りの回復、 粘り強さとたくましさ、前向きで創造的な雰囲気、限りない可能性の開花をもたらすことでしょう。
代表取締役 国際企業イメージコンサルタント 徳永ミユキ
職場でのメンタリング・マネジメントと女性キャリアの創出が不可欠!
~夢・憧れ・やりがいのある社会をともに創り目指すために~

「企業を元気にするには」2つのチャレンジが必要不可欠です。


1.メンタリング・マネジメントの重要性~現場第一主義~

企業に対してアドバイスするメンタリング・マネジメントとは、高業績を発揮する人財と高いパフォーマンスを達成する強い組織を作ることです。メンタリングとは、個人のキャリア成功を目的とした行動支援を意味します。

企業を元気にする戦力商品は、"従業員の笑顔"です。働く現場の声を大切にするOJTの新たな考え方が"仕事を楽しむ"集団として元気な企業へと育っていくのではないでしょうか。

2.女性キャリアの創出~ブランディング=イメージ戦略~

戦略的な"女性キャリアの活用術"は、企業イメージをリードします。キーワードは、"仕事を頑張る女性は輝いている"。女性がいきいき働く姿は、企業のブランディングに欠かせない広告塔です。

職場男女ビジネスコミュニケーションの質を高めるには女性の仕事力が不可欠です。お互いに多様な働き方を理解し、価値を認めあう存在である ことが重要ではないでしょうか。短時間~フルタイムで働く環境を"自社らしく"新モデル化するチャレンジです。現在がどうあれ、不可能は可能のプロセスだと信じ、今日をスタートする行動力が"企業(仲間)を元気する"大きなヒントになればと願っております。

「意志あるところに"必ず"道は通ず~Where there is a will,there is a way!~」
代表取締役 山岡仁美
そもそも、私たち日本の企業は、残業も出張も転勤も何でも対応する従業員を主軸に構成されています。いわば、職務遂行に特段制限のない人財を対象にしているということです。

そのような中、多くの"元気"な会社では、制限のある人財を活かしています。合わせて、多様性という個を活かすことも推進しています。

そこで、欠かせないのが人事評価制度の抜本的な見直しです。制限のない人財と制限のある人財を同じ土俵に乗せるスケールへと設計することで、すべての従業員が力を発揮し"元気"で強固な企業風土を成しているのです。
代表取締役 松原寛樹
企業を元気にするには、ビジョン、ミッション、バリューを意識した、①高い目標を設定し、②チャレンジし続けられる仕組みを構築し、③人材を育成しつづけることであると私は考えています。

① 高い目標を設定してチャレンジし続けること

会社が成長するために経営者が自ら高い目標を設定しチャレンジする姿勢を示し続けること。
目標は精神論ではなく、SWOT分析などの活用し設定すること。
特に、厳しい環境下においては、脅威を積極的に機会ととらえて、弱みを克服し、強みを生かして、新たなビジネス、商品・サービスを生み出すような明るい未来に向けたチャレンジ目標を設定する。
もちろん、経営者は自分の言葉で従業員に説明し、理解してもらい、一致団結してチャレンジできる目標でなければいけない。

② 目標にチャレンジできる仕組みをつくること

目標にチャレンジするためには、チャレンジできる環境を作る。
やみくもにチャレンジさせてしまうと、疲弊するだけになってしまうので、まずは、定常業務を標準化・システム化して時間的な余裕を作り出すことが必要です。
また、チャレンジに失敗しても個人の責任にするのではなく、会社の責任とする、再度チャレンジする機会を与える、チャレンジしたことに対して適正に評価するという仕組みも必要です。
このような仕組みがあると、達成感を味わうことができ、活気のある職場なります。

③ チャレンジできる人材を育成しつづけること

チャレンジするための武器を持たせてあげることが必要です。
会社としては、自業務に必要な十分な教育をおこなうこと、自業務以外の周辺分野の関する教育を行うこと、従業員(個人)の目標に向かってやりたい教育を提供し続けることが必要です。

最後に、昨今、大手電機メーカーの不正会計事件以降、日本企業の中ではチャレンジという言葉がタブー視されている風潮になっています。また、過度な労働をさせるブラック企業という言葉も一般化されてきています。法令違反については厳しく取り締まらないといけないのですが、頑張らせる、実力よりも少し高い目標を設定してチャレンジさせるということは、企業の成長に必要であるとともに、個人の成長にもなり、人生の糧になると私は考えており、ご批判をいただくことを恐れずに、今回あえてチャレンジ、目標という言葉を意識して使いました。
代表 菅野公司
1、企業文化の再構築
日本は、少子高齢、日本経済の抱える諸問題など一時代の転換期の中にあります。企業の社会的使命、要請(ミッション)に鑑み、企業のあるべき姿(ビジョン)の議論を通じて、社会の公器としての企業の組織文化を再構築する必要があります。

2、企業理念の浸透
社会の公器としての企業理念を、全社員一丸となって共有しながら、仕事を通じて人間力を向上させる職務行動(バリュー)を企業は評価する必要があります。ミッション、ビジョン、バリューが一つの方向性を持った時に、企業躍進の原動力を生み出します。
所長 菊田富雄
経営革新の芽に気づかせる

企業を元気にするには、市場における自社のポジションの変化を、定量的・定性的データを用いてビジュアルに示し、かつ、経営革新の芽がまだあることに気づかせることである。

人材と組織の在り方を変えることこそが経営革新の原点であり、トップ企業やライバル企業の経営資源や市場資源を負債化させる戦略もあるだろうし、既存のサプライチェーンの中で、なくてはならないポジションを掴む戦略もあり得る。

要は、どんな企業にも経営革新機能が元々備わっていることを知ってもらい、取り組む意欲を掘り起こすしかない。
代表取締役 葛目明久
企業の元気度は、結局そこで働く社員一人一人の元気度です。

一人一人が主役として活躍するためには、それぞれの得意分野を見極め適材適所に配置し、一人一人が輝け、互いの長所を尊重できるような社風を作り上げることでしょう。
そのためには核となる社長が人を引き付ける魅力を持たなければならないと思います。

社員は思っている以上に社長を見定めています。
代表取締役 岡田法悦
企業を元気にするには、働く人を元気にすること。人を元気にするには、質の高い人間関係をつくることです。よく「コミュニケーションが大切」といいます。しかし、『関係の質』が低ければ、コミュニケーションが人の元気を奪うことさえあります。

どうしたら関係の質が高まるのでしょう。まず、関係の質を〝見える化〟することが必要です。当研究所では、20年程前から企業研修やコンサルティングのために独自に開発したRQモード分析(RQ=Relational Quality)を使っています。関係の質が見えれば変化を起こし、企業を元気にする働きかけができるのです。
代表取締役 阿部真也
先ず経営者や幹部社員などのリーダーが、毎朝胸を張って大きな声で挨拶をして出社し、電話やお客様、部下への対応も、明るくテキパキとこなすことです。

リーダーがこれらを徹底し継続すれば、元気な会社に生まれ変わります。部下は見ていないようで、上司やリーダーをしっかり見ていて、知らず知らずのうちにその人の行動、考え方の影響を受けています。リーダーが行動を変えることが、元気になる近道です。

また日々交わす言葉も大きく影響するため、問題よりもその解決策、悪い部分より良い部分をより多く話す方が周囲が元気になります。
代表 吉原賢(ヨシハラケン )
まず、「企業を元気にするには」との問いについて考えてみたい。そもそも、元気な企業であれば、その問いには当てはまらない。

企業内の風通しが悪く、コミュニケーションも少なく、挑戦を拒むなど、日頃から社員が感じている不平や不満などが多いからこそ、それらを改善して「元気な企業」に変化したいと望んでいる。

とかく、そのような企業では、前向きな考えは生まれにくい。であれば、すぐに思いつく不平や不満などの問題を列挙し、それとは逆の考えを実行するために、何をするべきか、全て対極的な観点から答えを導き出すべきである。
代表社員 北川 智章
企業を元気にするためのポイントは、トップの明確な方針・メッセージや目標管理制度の整備、円滑なコミュニケーションなど様々ですが、「元気だな」と感じる企業様に共通しているのは、『管理職が“経営”を意識していること』です。

いわゆる管理面へのフォーカスが強過ぎると、「いかにミスをしないか」が関心事となります。他の部門の取り組みに興味を持たない、意思決定のスピードが遅くなるなどの弊害が生まれ、“余計なことは引き受けない”文化を作り出してしまいます。

自部門の仕事を“経営”ととらえれば、あらゆる側面で課題認識の質が高まり、常に変化し続ける柔軟さも手に入れます。例えば、部下への関わり方や関連部門との連携なども望ましい状態を模索し続けるため、活力ある組織が形成されます。
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