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「ブラック企業に就職しなさい」とは何とも刺激的なタイトルです。
この本の著者、加藤順彦さんはシンガポールで数多くの企業経営に参画している方です。
これまで30社超のベンチャー企業に出資を行い、
そのうちの8社は後に上場を果たすなど、
エンジェル投資家として名をはせている方でもあります。
そんな経営のスペシャリストが提言する
「起業したい君は、まずブラック企業に就職しなさい」というメッセージは、
単なる奇をてらったタイトルを超えた深い意味があることを感じさせずにはいられません。
さて、この「ブラック企業」という言葉。
最近では様々な場面で使われようになりました。
OKWave総合研究所の調査結果によると、
2013年の「ブラック企業」、「ブラック会社」という言葉を含んだネットでの質問回数が、対2012年で1.7倍、対2011年で1.5倍になるなど、
急上昇しているとこうことです。
この「ブラック企業」は企業の労働環境が悪事を表すネガティブな言葉として使われていますが、加藤順彦さんのように、あえて肯定的な面を考えてみたいと思います。
もちろん法令違反をしている企業は決して肯定されるべきではありません。
法令順守をしている企業に限定し、
ブラック企業もしくはブラック的な企業から学ぶべきことはないか、
あえて考えてみます。
そこで浮かび上がってくるものは、マネージメントというキーワード。
ブラック企業と呼ばれる企業は、
それが良いか悪いかは別として、
労務管理に力を入れています。
なるべく安い賃金で
なるべく長い時間、
労働に従事してもらう。
その結果として、企業全体の労働生産性を上げていこうとします。
これが行き過ぎれば、
過労やサービス残業、残業代の不払いなどの問題になったり、
場合によっては労働災害につながってしまったりします。
このような問題が起きない程度に、
労働力を稼働させるようとバランスを取りながら、
労務管理をしようと考えるでしょう。
このことは、人権や労働環境という観点から
どこまで許されることなのかという議論があるでしょうし、
また、このようなやり方は、長い目でみれば、
労働生産性を上げるどころか、むしろ下げるのではという議論もあるでしょう。
いずれにせよ、
ブラック企業は、この労働力について、
ある意味、ギリギリの挑戦をしようと、
労務管理を徹底しています。
そして、それは労務管理に限定したことではなく、
人・モノ・金、つまり経営資源全般においても
同じようなマネジメントの考え方を持っているのではないかと推測されます。
少し前に、各メディアで盛んに報じられた「ブラック企業大賞」。
この一風変わった企画にノミネートされた企業の多くは、
急速に成長してシェアを拡大させている企業でした。
このように考えると、ブラック企業は確かに非難されるべき点は多々あるのですが、
一方で、経営資源を有効的に活用しているという意味において、
参考にすべき点も多いのではないでしょうか。
労働環境という点だけを見た場合に問題が多い企業も、
それ以外の経営資源の管理まで含めて概観してみると、
成長戦略のヒントが見えてくる場合もあるでしょう。
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起業したい君は、まずブラック企業に就職しなさい