経営の重要事項、優先順位、問題解決などでいつも上位に出てくる項目が、"人材の育成"です。そしたら、具体的に、いったい私たちはどんな人材を求めているのでしょうか。
あまりにも多くの要素を求めすぎて、まとまっていない場合が多いようです。ひょっとすると、何でもできる人を求めすぎて、そんな人なんかいないと決め付けてあきらめているのかもしれません。求めるならば、結構周りにいるものなのです。
今回は、ターゲットを中小企業の社長の右腕、ナンバー2、懐刀といわれる人はどのような人か、どのような人財かをクローズアップしていきたいと思います。
私は、アパレル雑貨の中小企業(現在の年商約200億円)で、長年ナンバー2として仕事をしてきました。そして、さまざまなナンバー2として活躍されていた方や活躍されている方と接してきました。その経験からのひとつの仮説です。
トップが偉くて、ナンバー2が偉くないとか、社長の力ではなくナンバー2のおかげで会社が成長したとか、そのようなことを言いたいわけではありません。企業、団体、組織には、トップがいて、ナンバー2がいて、幹部がいて・・・とか多くの人が存在して、それぞれ役割があり、その責任を果たすことで社会へ貢献しているわけです。その役割の事柄なのです。
会社の経営が発展していくには、会社の経理理念、ビジョン、事業目的、トップの決断、トップの思いや先見性などさまざまな要素が絡み合っています。しかしながら、一番大きいのはトップの存在です。トップの推進力でどんどん会社を引っ張っていきますが、ある時期に来ると、トップ一人だけではことが進まない事がたくさん起こります。そこで、トップは、優秀な片腕が欲しいなと考えるわけです。
それでは、優秀とは? 何が優秀であったらいいわけでしょうか。実は、優秀な片腕や右腕が欲しいわけではなく、本当は、今の社長にとって必要な片腕が欲しいわけです。優秀ではなく、必要な右腕です。勘違いされている方が多いように私は思います。
それでは、どのようなナンバー2が社長にとって必要な人財なのか、どのようなナンバー2が会社の発展に貢献するのか、また、ナンバー2の心構えとはどういうものなのかを以下にあげています。ひとつの基準として提示してみたいと思います。
必要なナンバー2
1. 93%イエスマンとなれる人。
2. トップの考え方を十分に理解して浸透させる人。
3. 責任を果たす人。
4. 自分の役割をしっかりと認識して立場を表に表さない人
5. 仕組みを作り動かす人
不要なナンバー2
1. 自ら職位とお金を求める人
2. 部下の意見を具申する人
3. 理論武装が得意な人
4. 能力や経験の差を主張する人
5. 言い訳をすることがある人
そうするとしたなら、どのようにして、育てていけばいいのでしょうか。きっと、社長が語り、該当者の考えを吸い上げて、システム化をさせればいいのではないでしょうか。しかしその前に、会社および社長の現状の認識をしっかりして、明確に、このようにして、必要な基準を紙に書くことからスタートです。