ビズテリア -- あなたのテリア(集まり)を作りましょう!
 
J・S・Bach 「音楽の捧げもの」 | 大内智久(Tomohisa Ohuchi) 悦楽の館 | ビズテリア

J・S・Bach 「音楽の捧げもの」

2013/11/07
バッハ、と言えば、みなさんまずはG線上のアリア、を連想するだろう。
あるいはそれ以上いかない方も多いかもしれない。
我が国においては、バッハがクラシック畑にいたことのない私にはどれほどの扱いなのか不明だが、カンタータやオルガン、バロック楽器における音楽の父、といった具合か?
 そこで、二つのバッハを上げるならば、インベンションと音楽の捧げもの、である。勿論、マタイ受難曲もすごいし、コールドベルクも凄いが、インベンションは今日出回ってるものはツェルニーが編纂したものではあるが、バイエルの古典版であり、近代音楽においても、特にロック的な1,4,5,4,1度のラインにおいて、自在な変化、メロディを数百年も前に完成した、単なる練習曲の粋を超えた、音楽の礎であるならば、音楽の捧げものはサイケデリック?な、音楽のクロスワード、音楽の連立方程式である。
 イントロの主題から6声のテーマがあり、それを一聴しただけでも、変則的の極みでありながらも覚えてしまうハープシコードの奇妙なスケールが展開される。
かのフリードリヒ大王がバッハを試して6声の王の王たるにふさわしいフーガをアポなし?で呼び出し、かのバッハも即座にはできず、やや時間をおいたものの、展開される重奏は理知的であり、天才的にマトリックス的な解釈で人工的に音楽の漸進と快楽、芸術性が巧にマッチしている。
 バッハに対しては、笛をイメージする人は少ないかもしれないが、ブランデンブルグでも見られるように、優雅でハーモニックマイナー的なものでなく、メロディックスケールを用いる曲においてはやわらかな音も用いる。
 再度繰り返すが、職人的に快楽を生み出すことができるバッハにとっての芸術は教会音楽に見られる、インプロに満ちたカンタータ的なドラマツルギーをもったものであるが、フレージングやアレンジメントにおいて、機械的な安穏とした処理から一歩進化したいかたはバッハをぜひ聴いていただきたい。
 そこには、あらゆるジャンルにおいて典雅の原石が静かに眠っているのだ・・・・
  • ビズテリア経営企画