ノマド化しているのか？　　（セオプレス２月号より）

　今年４月８日のWindowsXP延長サポート終了、４月から予定される消費増税を前に、タッチパネルと組み合わせて操作出来る画面が最大の特徴であるWindows8パソコンへの買い替え需要が話題となっています。
　また、今年はウェアラブル元年と呼ばれ、腕時計やメガネを身に着けるような感覚でデジタル機器を使用する環境が整って来ると言われています。

　このような高度なＩＴ化の話題を耳にしますと、学生時代に読んだ建築家・黒川紀章氏著の書籍に出てくる「ノマド」という言葉を思い出します。
　ノマド(nomad)とは英語で遊牧民の意味で、近年では情報機器を駆使して様々な場所で仕事を行うワークスタイルを指されるようになりました。時間や場所を選ばず、自宅やカフェなどで自由に作業を行えるファッション的な感覚も魅力となっているようですが、果たして社会はノマド化しているのでしょうか？

　モンゴル遊牧民の生活は各地を移動しながらラジオの情報を頼りに、日々変化する過酷な環境の中で同士の助け合いによって成り立っています。この遊牧民を表すノマドを最近の新しいワークスタイルと合わせて考えた時、「自律と自立」という視点では大きなギャップを感じます。

　私もパソコンやスマートフォンなどの情報機器を１日の多くの時間使用する一人ですが、厳しい自然と対峙し生活を送るノマドにならって考えますと、日々のあり方について改める時期が来ているように思えてなりません。