冬ながら空より花の散りくるは 雲のあなたは春にやあらむ
清原深養父(古今和歌集)
「冬なのに空から花が舞っている。雲の向こう側はもう春なのか。」
この季節に咲く梅の花を白い雪に例えていると伺えます。
立春を迎え、暦の上では春となりました。日本は世界でも数少ない春・夏・秋・冬の四季に恵まれた国。四季折々の美しさを味わい、四季と共に生きてきた日本人特有の繊細な感性と心の豊かさはインターネット等を通じて改めて世界から注目を浴びています。
寒い日々が続いていても自然は一歩一歩と着実に歩み続けている、こうした常に動き続ける自然の変化に意識を向けることは、世の中の様々な変化への気付きにつながると言われています。
自然との共生、自然への順応、自然との一体感といったテーマは現代の経営哲学の分野でも取り上げられる話題です。日本人が古来より大切にしてきた、雪の舞う寒い日でも小さな春を感じれるような和の心を思い起こすと、昔も今もどこか普遍的なものでつながっているように思えてなりません。